人気ブログランキング | 話題のタグを見る
長井秀和 (お笑い芸人)
インタビュー 長井秀和 (お笑い芸人)_f0088456_23311062.jpg


「間違いない!」の決め台詞で一世を風靡したお笑い芸人の長井秀和さん。日本では「毒舌スナイパー」として知られ、スーツ姿でお茶の間を賑せた。

昨年、世界に通用するコメディアンになるために単身NYに乗り込む。せっかくのNYなのに「おしゃれなカフェを巡るよりも、ネタを作るのが趣味」という根っからのお笑い馬鹿。そんな長井さんは7月のアメ★ドリ主催の異業種交流会に出演くださり、また11月に行う日本祭りJAMにも参加していただけることになった。



日本での活動は順風満帆だったと思うのですが、なぜアメリカに来たのですか。
長井:12年前から英語圏でやってみたいと思っていました。もともとパントマイムをやっており、パフォーマンスは万国共通であると思っています。日本の芸能界に憧れて入ったわけではなく、自分のパフォーマンスが通用するかどうかが、もともとのモチベーションでした。日本である程度成功したら、こっちにこようと思っていたことを実行に移したまでです。

どうしてNYを選んだんですか。
長井:英語圏に行きたいと思った中で、アメリカ、カナダ、オーストラリアを考えました。その中で、アメリカが一番ビッグマーケットだと思ったのです。アメリカではLAとNYと迷いました。事前のリサーチでは、LAは俳優を目指してのコメディアンが多いのに対して、NYは純粋なコメディ好きが多いと聞きました。4年前にNYに来た際に、コメディクラブが密集しているのも見ましたしね。また、LAは車社会なので、車を運転しなくてはいけないでしょ?私は車の運転が好きではないので、NYが向いているなと思いました。NYにはチャンスがあると思いました。

現在、こちらでの活動は。
長井:基本的に語学の勉強に来ました。しかし、今は知り合いを通してコメディークラブにも定期的に出演させてもらっています。

コメディーを英語でやるには相当の語学力が必要ではないですか。
長井:アメリカに来る前は、半年間日本で語学学校に通っていました。アメリカ人の友達もいましたので、全然喋れないままアメリカに来たわけではないのです。英検2級以上ってとこですかね。

日本のお笑いとこちらのお笑いとの違いはありますか。
長井:全部を見たわけではないのでわかりませんが、劇場の環境が違いますね。日本の劇場では、ショーパブでない限りお酒は飲みません。こちらはお酒を飲みながらなので、少し刺激の強いものが必要ですかね。だから下品なネタや、しもネタ、自分をさらけだすような人種の自虐ネタまであります。無礼講ですね。例えば、「俺の息子がドラッグで捕まったぜ。それで言ってやったぜ、なぜ俺にも分けてくれないんだよって」みたいな。少し荒っぽい、日本ではひいてしまうようなネタです。また、こっちではシュールなことを言ってもうけないんですよ。スパイスのきいた、パンチのきいたネタで、聞いている人全員がクリアに理解できるようなネタでないとダメだという点が日本と違います。

こちらで苦労したことは?
長井:3月いっぱいヒーターが壊れてしまって、すごく寒い思いをしました。韓国人の友達の家に泊まったんですが、「日本で有名人だったのに苦労してるんだな」と同情の目で見られてしまいました(笑)。ネットが繋がったり繋がらなかったりという不便もありましたし、レポートを書くのもすべてパソコンを使わなくてはいけなかったので、パソコンに疎い私はとても苦労しました。まるでパソコン教室に通っているおばさん状態で、クラスメートにごく初歩的なことから教えてもらっていました。
あと、こっちに来てよく中国人に間違えられますね。郵便局でも中国で話しかけられるし。「おまえ日本人なら中国語も話せるだろ」というアメリカ人もいるので閉口してしまいます。

今後のNYでの活動は?
長井:あと4ヶ月はNYにいます。しかし、もう少し長くいるかもしれません。ちょっと語学留学に来ただけではなく、こっちの活動の方が日本よりも多くなるようにしたいのです。ある程度のかたちができるまではNYにいたいですね。コメディクラブで知り合いを作って、コネをつくることや、7-10分の出番である程度の笑いをとるなど渡米当初の目標はクリアできました。アメリカ人に受けるのは気持ちいいです。日本人よりも声量が大きいから受ける声がでかいですしね。

生真面目で、几帳面に仕事をやっているというステレオタイプの日本人が、コメディの本場でアメリカ人やヨーロッパ人を笑わせる。日本人がショーをコントロールしてるというのが嬉しいです。日本人が英語でコメディーをやると皆びっくりするんですよ。英語がどれくらい喋れるのかと興味をもたれます。

今後の抱負は?
長井:スタンドアップ・コメディで力をつけたい。業界用語で言うと、地肩をつけておきたいのです。客を呼べてもコメディの質が伴ってないのは嫌ですから。人気と共に実力をつけたいです。

また、お笑いとは違うんですが、地元杉並区高円寺の阿波踊りをNYで広めたいです。毎年8月に行われるお祭りで、約188団体(連)、約1万2千人の踊り手が、見物客120万人あまりを動員します。徳島に次いで第2位の規模を誇るんです。隅田川の花火大会や浅草サンバカーニバルとともに東京の三大夏祭りにも数えられ、都内の夏を彩る代表的なイベントとして知らています。来年、是非このイベントをNYで実現したいです。応援よろしくお願いします。

初出: 月刊「アメリカン★ドリーム」7月号
ブログランキングに登録しました。 応援よろしくお願いします。
こちらをクリックお願いします!


コメントお寄せ下さい。 info@amedori.net 必ず返事を書きます。

by amedorinewyork | 2008-10-12 23:33 | 対談・インタビュー

<< 大統領選の行方は 節約が最大の防御策なのかな >>