ドクターワイス前世療法を語る 2
2008年 10月 05日
世界的なベストセラー「前世療法」、「魂の伴侶~ソウルメイト」などを数々発刊しているブライアン・ワイス精神科医はヒプノセラピー(催眠療法)を使いクライアントを前世に退行させることで現在抱える問題の改善を目指すという前世退行催眠を発案した第一人者。
スピリチュアルの世界で彼を知らない人はいないだろう。
*前回からの続き:ドクターワイスは「前世療法」 の出版により他の精神科医からの批判にさらされ、一時は医師免許剥奪の危機を経験した。しかし彼を応援してくれた精神科医たちのおかげで免許剥奪は逃れ社会的地位も維持することが出来た。その後前世療法は世界中に広がり、現在では日本語も含め35国語に翻訳されている。
- 様々な社会的リスクを背負いながらも、最初の本「前世療法」を出版を決定した一番の理由は何だったのでしょうか?
それは私自身が生後3週間の息子を亡くしたことです。1971年でした。妻のキャサリンと私は何ヶ月も悲嘆にくれました。夢も希望も打ち砕かれたような思いでした。そのうちにキャサリン(*最初の前世治療の患者)との前世退行のセッションが始まり、彼女はセッション中に前世の記憶を思い出すようになりました。
前世療法を続けるうちに、彼女は高い次元へ行って死者たちとコミュニケーションを受け取る事が出来るようになりました。そしてあるセッション中、キャサリンは私の死んだ父や息子からのメッセージを私に伝えてくれたのです。キャサリンは彼女が個人的に知り得ない私のプライベートな情報を私に語りました。
例えば彼女は私の息子が非常に珍しい心臓の病気で死亡したことを言い当てました。また息子の死をきっかけに私が医学の限界を感じ、精神科医になろうと決心した経緯まで見事に指摘したのです。さらに彼女は息子は愛にあふれた魂で、死を持って彼の両親のカルマの負債を返してくれたとも教えてくれました。
このようなあちら側からのメッセージを聞くうちに私の息子を亡くした悲しみは和らいていきました。さらに心のずっと奥で大きな愛の存在や、死後の世界にいる私の息子に対するいっそうの愛しさが感じられるようになったのです。
そのうち私は子供や愛する人を亡くした患者さんたちに、本当の死は存在しないということ、私達は死後の世界で再会できるということを話すようになりました。すると彼らの症状も良くなっていったのです。社会的なリスクを背負いながらも前世療法の本を出版するよう私の背中を押してくれたのは、
私自身が深い喪失感を経験し、そのような喪失感を抱えている人々を助ける事が出来た経験です。そのような個人的体験があったので、私がやろうとしていたことは正しいことだと分かっていました。それが一番の動機でした。
- 先生の処女作「前世療法」はどのようなことが書かれていますか?
「前世療法」は私の患者であったキャサリンとの治療経験をまとめたものです。キャサリンとのセッションで実際に起こった事、彼女がどのように変わって いったか、彼女がどのように症状を薬の力を借りずに自分自身で癒していったか、そしてこの治療がどのように私自身を変えていったかについて書かれています。
私は彼女を従来の心理療法で18ヶ月間治療していましたが、彼女の症状はなかなか快方に向かいませんでした。ある時催眠療法をすすめると彼女はしぶしぶ承諾しました。そして退行催眠中、私は症状の原因となった時まで戻りなさいと指示しました。
すると彼女は偶然にも前世に戻ってしまったのです。そしてその人生での名前、着ているもの、風景、時代すべてありありと私に報告し始めたのです。驚くことに前世療法を始めて5ヶ月という短期間でキャサリンの神経症の症状は完治したのです。
私は前世治療の当初とても懐疑的でした。私は前世だとかスピリチュアルな世界といったものを一切信じていませんでした。彼女自身でさえも信じていませんで した。
それにもかかわらず前世療法の体験を通して私達2人の人生は劇的に変わっていったのです。(続く)
聞き手・文 花川ゆう子 Ph.D.
構成 板越ジョージ
初出:月刊「アメリカン★ドリーム」 2008年10月号
by amedorinewyork | 2008-10-05 13:47 | 対談・Dr. ワイス