新連載 「教えて!アメ★ドリ101 」を始めました。

会社設立、特にLLCとC-corpについてです。
弁護士の加藤恵子さん、会計士の山口猛さんに答えて頂きました。

*LLCとC-corpの違い(メリット、デメリット)を教えてください。

1) C Corporation(株式会社)

① 特徴

· 一定数の株式を発行し、各株主が出資の限度で有限責任を負う法人。解散をしない限り、会社は永久に存続する。

· C-Corpのメリットは、会社は株主・取締役・役員など構成員とは別個の法人格を持つため、各構成員の責任は有限であること。また、株の譲渡も容易な点。

· デメリットは、課税面において法人税と配当金に対する株主への所得税という2段階の課税が生じる点。

  ➁ 組織 - Shareholder (株主)、 Director(取締役)、 Officer(役員)で構成する。

2)LLC-Limited Liability Company(有限責任会社)

  ① 特徴

LLCは、近年、多くの州で法律上認められた法人の一形態である。よく日本の有限会社と混同されがちだが、法律上(会社法及び税法上)、日本の有限会社とはまったく異なる形態である。
LLCは小規模の法人形態で、会社として株式会社のように有限責任で、税務上は、メンバーと呼ばれる出資者の個人の所得に課税され、二重課税が生じない点がメリットである。税務上、LLCは、選択で普通の株式会社としての取り扱いを選択することもできる。
デメリットとは、LLCは小規模の法人形態であり、大規模な事業展開には不向きであること。また、LLCは比較的近年に認められた形態であるため、構成員の責任についての判例等まだ法律上で不確かな点もある。さらに、株式会社と異なり、その存続期間は永久ではなく、設立時に存続期間を決定する必要がある。なお、米国外の国(たとえば日本)在住の人がメンバーとして出資者になった場合、そのメンバーは米国で個人の税申告をしなくてはならない。その税申告を避けるには、株式会社と同様の税務取り扱いを選択をする必要がある。

 ➁ 組織  
会社設立にあたり出資する人々や経営に携わる人々は、株主や取締役でなく、Member(メンバー)と呼ばれる。有限というように個々のメンバーは、個人的に会社全体や他のメンバーの債務や義務に対し責任を負うことはなく、各人が出資した分に対し責任を負う。

*LLCの設立の際は、新聞広告は必要なのでしょうか。

デラウエア州を始め多くの州では、新聞告知を義務をなくしましたが、NY州、AZ州、NE州では、LLC設立には新聞告知をする義務を課しています。NY州では LLCを設立したり、LLCとして業務を行う場合は、設立後120日以内に、会社の所在地のカウンティーで配布される2種類の新聞に週に一回、6週間の間、LLC 設立の告知を出さなければならない。そして会社設立後180日以内に州政府に新聞告知をしたという宣誓書を提出しなければなりません。

この新聞告知は、所在地のあるカウンティーに連絡をし、カウンティーが告知を出すべき新聞を指示する。指示のない新聞に広告を出すことは不可。(例えば、Daily Post と指示されながら、広告費が安いからという理由で Village Voiceに出すことは許されない。)

広告費は、所在地の州やカウンティーによって異なるが、だいたい1500ドルぐらいから2500ドル以内。


この告知を出さないで業務を開始した場合、会社の登録は不完全な登記と見做され、州内で訴訟の当事者になれません。また、銀行等の融資も受けられなくなるというリスクもあります。


*C-corpを設立しようと思っています。デラウエア州で会社を設立するメリットは何でしょうか。

デラウエア州の会社法は法人にとって非常に融通性があります。例えば、企業買収やリストラクチャリングなどの複雑な取引が機動的に実施できるようになっています。

デラウエア州には企業関係の紛争を処理する Court of Chancery (衡平法裁判所)があり、非陪審制、豊富な先例(会社法の領域で210年を越す歴史を有する)、裁判が迅速に行われる上に、会社法、破産法の専門性については広く知られています。企業からすれば、法的安定性の面で自らの法務リスクの低減が図れます。

大きなメリットは、デラウエア州内で事業を行わない限り、州の法人所得税は課税されない点です。NY州を含む数州では、会社の所得については(州内の事業であるか問わず)州の所得税が課税されます。全所得のうち、その州に帰属する分を按分します。デラウエア州では、州内で事業を行わない場合は、州の法人所得税が課せられない代わり、州政府にフランチャイズ税として株式会社最低75ドル(無額面株5000ドル株まで発行可能の小規模会社)、年次報告書費用25ドル、その他デラウエア州内に法的代理人(Registered Agent)をおく必要がありその法的代理人にエージェント費用として毎年200~300ドルほど支払う必要があります。

上記理由から、他州にまたがる事業をする企業はデラウエア州に法人登記をするとメリットが大きい。例としてあげると銀行業、運輸業、商社、IT関連会社等です。

ただし、はじめからNY州やNJ州にオフィスを置き、その州でのみ業務を展開する予定ならば、デラウエア州に法人を設立することは無駄になる場合もあります。それは、デラウエア州に会社を設立しても、NY州やNJ州で業務開始(支社設立)登記をしなくてはならないからです。それに、毎年デラウエア州政府にフランチャイズ税、年次報告書費用を支払い、また法的代理人にエージェント費用も支払わなければならないからです。

by 「教えてアメ★ドリ101」 加藤恵子弁護士


*会社維持のために、最低必要な経費・税金はいくらでしょうか。C-corpまたはLLC 、NY州またはデラウエア州で設立を考えています。


 まず、C-Corp.または LLCでも会社を設立するのに費用が最低300ドルー500ドル掛かります。NY州、デラウエア州の違いは最近では余りありません。

 C-Corp.とLLCの違いは、LLCの場合、若干のフィーをLLCのレベルで払いますが、LLCレベルで法人税に相当する税金を払う必要は無く、個人のレベルで個人所得税を払うだけになります。LLC は、C-Corp.の二重課税を避けることが出来るので人気があります。

 一旦、C-Corp.を設立すると、次の税金、保険などを支払わなければなりません。
  1.法人税(連邦と州又は市)、
  2.給与に関連する雇用者負担社会保障税、
  3.失業保険、労災保険、傷害保険 などです。

 法人税は課税所得が出た場合にのみ掛かります。連邦法人税率は累進課税で課税所得の額により15-39%。損失の場合は掛かりません。州法人税の税率は州によって違いますが、約7-9%と考えてください。

 州には最低税金というのがあり、損失を出しても100ドルから800ドル位の税金を払わされます。雇用者負担の社会保障税は、給与額10万2千ドルまで7.65%、従業員採用に伴って強制的に払わなければならない保険料は過去の経験率をベースに計算されます。

 ラフな計算ですが、会社が最初の3年位損失を出しても、従業員を雇えば毎年雇用者負担の社会保障税と保険料、州の最低税金で約1万ドル位の費用が必要になります。

 税金は、連邦税、州税と複雑で、例えば、損失は20年繰り越すことが出来るのですが、加速度償却などを採用していると代替ミニマム税が掛かるなど、分かりにくいので専門家の助けが必要です。



*インターネットビジネスで、デラウエア州で会社を設立しようと思っております。会社の所在地はNYですが、インターネットビジネスなので、売買は基本的にネット上です。この場合は、NY州にも登録して、税金を納めなくてはいけないのでしょうか。

 連邦法人税は、国税に相当するものなので、会社の所在地に関係なく支払わなければなりません。

 インターネットは確かに無形のものですが、州の法人税は、どこでビジネスを行うのか、どこに事務所を構えるのかが課税の鍵になります。デラウエア州で会社を設立しても、デラウエア州でビジネスをやらない場合は、デラウエア州には$75のフィーを払うだけで、税金は払いません。

 一方、事務所があるNY州に営業登録をしてNY州法人税を払う必要があります。NY州で課税されるか否かは、NY州内でビジネスをやっているか、資本を使用しているか、資産をリースしているか、または事務所を持っているかで決まります。この考え方は、ほとんどの州が採用しているので、他の州に事務所を移しても結果は同じになります。

 もし、NY市内に事務所を構えると、NY市の法人税も掛かります。税率は、NY州の場合、課税所得に対して7.1%,又は資本ベースに対して0.178%、又は、最低税金として$100のいずれか一番大きい額を払うことになります。ビジネス活動を中止して、資産、売り上げ、給与が$1,000以下になったような会社の場合、最低税金が$800になるので早く会社を清算しないと損になります。NY市の法人税率は、課税所得の8.85%、又は資産ベースの0.15%,又は、最低税金の$300のいずれか一番大きい額を支払います。

by 「教えてアメ★ドリ101」 山口猛CPA

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by amedorinewyork | 2008-08-11 04:43 | ビジネス・起業

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