独身女性が住みやすいニューヨーク
2010年 12月 15日
独身女性が住みやすいニューヨーク
ニューヨークと言えば、映画「セックス・アンド・ザ・シティ」の四〇代のいわゆるアラフォー女性四人の映画の舞台になった街。この映画は一九九八年にアメリカのHBOケーブルテレビ局のシリーズ番組として始まった。当時はその奇抜なタイトルで注目され、街のあちこちに大きな看板があったのを覚えている。日本でも話題になったようだが、放映当初はメインの女優は四人ともアラサー(三〇代)であった。ストーリーもアラサーの自由気ままなニューヨーカーの恋愛模様を描いていた。しかし、長く放映されているうちに女優達も高齢化。四〇代になってよりシリアスに結婚をテーマとする方向に変ってきた。そして今回の映画化に至ったのだ。
ニューヨークで暮らす成人女性のうち六〇パーセント以上は独身。1990年の調査から比較すると、現在では独身の割合が三〇パーセントも増えているという現状。理由は、女性が男性よりも高いキャリアを求めて、結婚相手を見つけるよりも学校に通うなど自分のキャリアを高めるために多くの時間を費やしているからだ。そして、もし結婚願望があったとしても、理想の男性が見つからないというのが実情。
ニューヨークに住む日本人を見てもそうだ。駐在員や学生を除き、ニューヨークに住みついてキャリアを持っているのは三〇、四〇代の女性が多い。彼女達は、日本で以前流行ったいわゆる「負け犬」と呼ばれる高学歴、高収入の未婚女性。ニューヨークにいる日本人で女性が多いのは、女性の方が男性と比べて海外での適応能力もあり、仕事や家に対して責任がある男性と比べて、比較的海外へ行きやすい立場にもあるからだろう。また、ある程度年齢がいくと独身でいづらくなる日本の社会環境よりも、アメリカの方が女性にとって活躍しやすい場所なのかもしれない。
しかし、ニューヨークは独身男性よりも独身女性の方が多いといわれているので容易に条件のよいニューヨーカー男性独身とあうのは難しい。昨今、「就活」ならず「婚活」をニューヨークでする日本人女性が増えていると聞く。しかし、ニューヨークの独身男性は、自由な環境を求める男性が多く、私の身近な周りを見ても、まともな独身男性はほとんど見当たらない。またいわゆるイケメン男性はゲイであることが多かったりもする。そして独身男性はと言うと結婚願望がほとんどなく、自分のキャリアや人生を楽しんでいる人ばかり。何故、縛られる結婚をしなくてはいけないのかと思っている傾向がある。こうなってくると必然的に女性の選択肢は狭まる。各々自分の価値観を大事にし、選択して歩んでいくニューヨーカーの人生を象徴する現象かもしれない。
「セックス・アンド・ザ・シティ」のように、ニューヨークでは独身女性が活躍する場がある。だからニューヨーカーは独身女性が多いのだろう。独身が多いから、女性もなんとなく安心してキャリアを積める環境がある。年齢制限もないから、好きなだけ仕事ができる。夢をあきらめる必要がないのだ。
(初出 月刊「アメリカン★ドリーム」2010年12月号)

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by amedorinewyork | 2010-12-15 11:37 | ニューヨーカーの条件