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グローバル人材とは

私が渡米した20数年前、グローバル人材といえば欧米諸国であったが、
今は中国・アジア進出を含めるものとなった。果たしてグローバル人材とは何かを考えることがある。

ある日本の大手製造会社では、グローバル化を目標として社員全員にTOEICを450点取得させると聞いた。450点という設定も中途半端であるが、そもそも英語教育するだけでは決して現場では勝てない。

何故なら、国際戦略に長けたマネージメント能力こそが本来必要だからだ。日本企業は、海外ではすぐに
英語を使える現地の日本人を採用する傾向がある。日本人の目には、英語が話せるだけで、その人がまるで万能であるかのようにうつるようだ。

しかし、そもそもスキルやマネージメント能力がない者は使い物にならない。多くの日本の企業は、
ちょっとした知り合いのつてをたどって、とにかく英語を話せる現地の日本人を頼ってしまう。
そのために現地の経営はずさんになり、本社はそれに全く気がついていないという例をいくつも目の
当たりにしてきた。

ある大手小売販売店では、ニューヨークに進出する際、人づての知り合いで英語が話せるというだけで、
ビジネスに関してはずぶの素人を現地法人の代表者にしてしまった。
不動産の契約、施工者との折衝などちぐはぐな契約ばかりしていた。

しかし、アメリカの状況を知らない本社には、都合のいい報告ばかりし、自分の能力不足を隠している。
英語が話せることと、仕事ができることは別物なのだ。英語が話せることを最優先させるのではなく、
一部の優秀な社員に英才教育させたほうがいい。
グローバル感覚を持たない人が戦略を立てても上手に行くはずがない。

海外で人を雇うにあたって大切なのは、実は英語ではなく、「採用」、「評価」、「解雇」がしっかりできるか
どうかという点にある。「採用」には、その基準になるジョブ・ディスクリプション(職務記述書)が大切である。

従業員の年齢、性別、勤続年数、国籍などの属人的要素ではなく、あくまでも職務追行能力を基準にした人事評価と処遇を行う必要性がある。職務をベースにした人事制度を構築するために必要な第一歩は、
各ポジションの職務内容、職務能力や責任範囲を明確にすることだ。

日本や韓国以外の先進国はこれを導入している。従業員に対して業務の評価を行うにはそれなりの会社
の覚悟が必要であろう。それを実行するだけの管理職の教育も必要になる。会社の成長の鍵は、わかり
やすい評価制度と、それを動かす管理職のマネージメント能力に関わってくるのだ。

ベンチャーを立ち上げればこれらは自然に身につくが、大企業にいる日本人はなかなかそれを実感する
チャンスがない。それとは対照的に、アメリカはこれを企業が叩き込むので、大企業卒でもベンチャー資質
があると私は感じている。

また、「評価」において大切なのは確固とした基準を設けること。結局のところ経営者と社員との関係の基本は給料である。これはアメリカで会社を経営していて身にしみて感じる。会社に愛情があっても、給料基準がしっかりしていないと、社員はやる気をなくす。

例えば、某大手製造小売会社のアメリカ支店の社長は、社員としてアメリカ人と日本人の両方を採用して
いる。昇給の際にアメリカ人は当然のように社長に不満をぶつけ、賃上げを要求してくる。

かたや日本人社員はそういうことは遠慮して黙ってしまう。あまり英語が得意ではない社長は、アメリカ人の交渉に恐れをなし、うるさい人物には大幅な昇給をし、彼らより真面目に大量の仕事をこなしているおとなしい日本人社員の昇給率は昨年よりも下げてしまった。

そのような状況はそれまでアメリカ支店立ち上げに情熱を燃やし、身を粉にして働いてきた社員達のモチベーションを一気に下げた。この社長は中国などでも支店を立ち上げてきた海外立ち上げ社長として知られている人物であるが、その人物でさえこの有様だ。アメリカ人からは舐められ、日本人からは失望されている。

しかし、日本人は優秀なので、しっかりと意識し、学習さえすれば現地の状況に即した評価基準を構える
ことができるはずである。

アメリカは80年代の大リストラを経験したことから、大企業に頼れない、年功序列ではいけないという意識が定着したといわれている。そこで生まれたのがベンチャーを育てる気風。アメリカのビジネス界においては、
この金額でこのプロジェクトをやって欲しいという賃金とタスクとの関係が明確にされた。それに法律が伴い、企業と個人のサバイバルが始まっていった。これは昨今、アメリカだけに限らず、どこの先進国でも起こっている現象だ。海外に進出しようとする企業はこの感覚を身につける必要がある。

今まで日本は1.3億人の市場でそれなりの規模感で自国だけのマーケットで食べていくことができた。
しかし、少子高齢化が進むにつれて、日本だけのマーケットで食べていくのは難しくなってきている。
そのような状況下、ユニクロや楽天が全会議を英語化すると発表した。また、新卒社員の8割は海外から採用すると聞く。これらの現象は、今後の日本のグローバル化に対してよい起爆剤になるだろう。世界から見れば日本はたった2%のマーケットであり、世界を相手にすると残り98%の市場にリーチできるのだ。

では、冒頭に挙げたTOEIC450点の会社のグローバル化の意識と、これらの会社とはどう違うのか。
それは、最前線に立って指揮しているトップの資質が深く関係していると思う。
グローバル化=英語という単純な発想しかできない昔ながらの日本人気質の経営者に対して、
後者はトップが国際的な感覚を身につけ、それを核としたリーダーシップをとっている。
英語がうまく話せなくてもいい。最低限の英語力と、世界に通用するマネージメント能力とリーダーシップが
何よりも大切だ。そしてやはり最後は熱意でまくしたてよう。


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by amedorinewyork | 2010-10-04 22:12 | ニューヨーカーの条件

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