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ニューヨーカーの条件 
第30回 日本がアメリカに仕掛けた時限爆弾


朝、起きるとパナソニックのテレビをつける。

トヨタの車に乗せられて通学。

家に帰るとニンテンドーで遊び、日本のアニメをみて喜ぶ。

夕食は寿司やテリヤキ味の日本食に舌鼓を打つ。

これは最近のアメリカの子供の何気ない一日の行動だ。

私達が若い時代は、ハリウッド映画を観て育ってきた。
「ロッキー」や「ランボー」などに夢中になった。マクドナルドで食べるハンバーガーは大好物。
薬のような味だと驚いたコーラも、今では多くの日本の子供達が好んで飲むようになった。

この時代、日本の社会はアメリカからの強烈な文化を意識的に仕掛けられ、
それに乗せられ、踊らされていた。
今まさに、その逆転現象が起きようとしている。

子供の時に見た映像は大人になっても頭に焼き付いているものだ。

例えば、私にとって根性もののイメージと言えば、「あしたのジョー」や「巨人の星」。
「空を飛べたらいいな」と思えば迷わず、「ドラえもん」のタケコプターを連想する。
こういう子供の頃のアニメ原風景は大きくなっても思考の背景に色濃く残っている。

それと同じように、現代のアメリカの子供達は当たり前のように「ドラゴンボール」や
「ポケットモンスター」などの日本製のアニメを観て育っている。
そして彼らの思考がその影響を多大に受けていることを疑う余地は無い。

今まで「タケコプター」が日本人の共通認識の中にあったように、
今や、誰もが「カメハメハ」などを知っていて、世界の子供の共通意識として成り立ちつつある。

子供の世界基準に影響力を及ぼすハリウッド映画から、日本のアニメがとって変わってきている。
私はこれを日本が生んだ「子供に対する平和な影響」としてとても意義のあるものだと考えている。
暴力や破壊的なシーンが多いハリウッド映画より日本のアニメは、はるかに安全で、心温まる、
平和なものだからだ。

手塚漫画や宮崎アニメのように環境保護などの強い社会的なメッセージを含んだものもある。
それらを日常的に見続けていけばアメリカ人も次第に洗脳されていくのだろうか。

私は以前、日本の本を専門に扱う書店を数店舗経営していた。
南部のアトランタの店舗でさえも、日本人顔まけの漫画ファンがいて、彼らは英語の漫画ではなく、
日本語の漫画を買うことを好んだ。

また当時はビデオなども英語の吹き替えよりも、日本語そのままのものに、
字幕が付けられたものが人気だった。

近年、アメリカを侵食し続ける日本文化の勢いには目を見張るものがある。
エコノミック・アニマルとしか認識されていなかった日本が、九〇年代後半から、
アメリカ人にとって「クールでポップな日本」としての認識に変わってきた。

我々の子供時代、元来農耕民族の日本人はハンバーガーやステーキの美味しさに目覚めた。

昭和四七年、マクドナルドの第一号店が作られた当時、藤田田社長は
「これから人々が進んでパンを食べる時代がやって来る。現在の人々はご飯とパンのどちらを選ぶか
というと、迷わずご飯をとる。しかしこれから成長して大人になる子供達はパンを選ぶようになるだろう」
と予言した。

実際私も、昼食にご飯物かハンバーガーかという状況になると、ハンバーガーを食べることも多い。
子供の頃に仕掛けられたアメリカの時限爆弾によってハンバーガーというDNAが埋め込まれ、
今もそのまま残っているかのようだ。その結果無意識にもアメリカびいきになったのかもしれない。

食べものが性格に影響すると聞いたことがある。
では反対に肉食だったアメリカ人が寿司や豆腐ばかり食べている今、思考も自然と日本人的に
なってゆくのか?

今度はアメリカに日本が時限爆弾を仕掛けたのかもしれない。
しかし爆弾とは少しニュアンスが違う。

何故なら、戦後の日本に計画的に仕掛けられた、アメリカの意識的で狡猾な爆弾とは違うからだ。
むしろアメリカ人、その中でも文化レベルの高いニューヨーカー達が生活の向上を追及する上で
無意識に、自主的に選択した自然発生的な時限爆弾だ。

そして何よりも注目すべきは、この日本の時限爆弾は破壊ではなく、人間関係の調和や環境保護、
健康など「平和な影響」をもたらす質の高い時限爆弾だということだ。




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by amedorinewyork | 2010-04-30 22:46 | ニューヨーカーの条件

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