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青年は大志を抱いてどこへ行く
バックパック世界旅行記~中米編 3


車中でうとうととしていた。一瞬深い眠りに入るがフロリダの眩しい朝日に起こされる。

四人掛けのコンパートメントに分かれた席を独り占めしていた。ディズニーワールドのあるオーランドから、でかいバックパックを背負った私と同世代くらいの白人青年が乗ってきた。

「ここに座ってもいい?」

訛の強い英語だ。

「もちろん」

私は自分の荷物をひとりで占領していた席から荷物を降ろす。

「そんなでかいバックパックを持ってどこから来たの?」

「1か月前にイギリスからニューヨークに来たんだ。これからマイアミに行って、飛行機でメキシコまで行くよ」

「へぇー。実は僕もこれからマイアミまで行って、そこから飛行機に乗ってグアテマラまで行くんだ」

「グアテマラなんて変わったところへ行くね、まだ内戦中でしょ」

その男は、怪訝そうな顔で私を見た。



マイアミまでの道中、このイギリスから来た青年とたわいもない会話を楽しんだ。

彼の名前はポーカー、ずっと旅を続けているようだ。僕も旅をしてるんだなと、この時初めて実感する。

色々イギリスについて聞く。旅仲間が見つかった。



正直、マイアミ付近は治安が悪いと聞いていたので、相棒がいると心強い。ラッキーだった。

長い電車の旅を終え、午後12時45分、40分遅れでマイアミ駅に着く。

はたしてここはアメリカだろうかと疑ってしまう。気温は30度を超え、ダウンタウンの北に位置する駅周辺はキューバ人だらけ。

スラム街のような場所で身の危険を強く感じる。怖い。



マイアミといえば当時アメリカ一の犯罪都市だった。60年代キューバ革命による大量の難民を受け入れたことにより、

リトル・ハバナに見られるようなヒスパニックのコミュニティーが作られ、町は独特の空気を放っていた。

今でこそ全米一の避暑地として、引退後の年寄りが集まり、億万長者の別荘地として知られ、誰もが憧れるリゾート都市だが、

当時ここはドラッグの取引が横行し、殺人事件数全米ナンバーワン。

まるでアル・パチーノ主演の「スカーフェイス」の世界そのものだ。

市内をレンタカーで走ると、よそ者だと目を付けられ襲われるという事件がよく新聞沙汰になっていた。



下車後、空腹を覚えポーカーとランチをする事になった。駅付近には屋台があり、

ヤシの実や竹筒のようなサトウキビを搾ったジュースなどが売られていて、南国らしさを感じた。



2ブロック先のキューバ料理屋へ行く。手近なところで決めたのは、むやみにうろつくのは危険だと考えたからだ。

名物のキューバン・サンドイッチを食べる。マスタードとバターを塗ったキューバン・ブレッドにハム、

ローストポーク、サラミ、スイスチーズ、ピクルスをはさみ、パニーニのようにプレスで暖めるサンドイッチ。

初めて体験するその味はおいしかった。



実は、このキューバン・サンドイッチの発祥の地はフロリダのタンパ市。

葉巻工場で働くキューバ移民の人たちが手軽で安いランチとして食べていたのが始まりだそうだ。

また、飲み物としてカフェ・コン・レチェを注文した。エスプレッソにたっぷりのミルクと砂糖を入れた、

コーヒー牛乳のように甘いコーヒーはすごく美味しかった。



空腹を満たしタクシーで空港へ。キューバ人のタクシードライバーは運転がちょっと荒いが、明るく陽気だ。

ぼられることなくチップを入れて10ドルだった。マイアミ国際空港は、中南米との北の玄関。

空港の周囲を見渡すと、怪しい白タクの客引きや、荷物を強引に持ち、チップをせがむ強面の輩など、

お金を騙し取ろうとする雰囲気がぷんぷんしている。ここでポールと別れた。

バックパック世界旅行記 中米編 3_f0088456_4452046.jpg


続く



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by amedorinewyork | 2009-11-03 04:45 | バックパック世界旅行記

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