ドクターワイス前世療法を語る vol. 5 
日本人へのメッセージ (前編)

前回からの続き: ドクターワイスは日本人に向けてのメッセージで、 禅で教えるようにバランスと調和をもっと生活に取り込み、心の内側への旅も大切にして欲しいと語った。
彼は現代の日本人は働きすぎて日本独自のスピリチュアルなルーツを忘れがちなのではないかと心配する。


どうしてバランスが大切だと思われますか?

BW:バランスは人生すべての要素を高い視点から見させてくれます。
長時間働くだけでなく時間を遊びや内省にも使うこと。時間の使い方は食事と同じです。
食べ過ぎてもいけないし、食べなさすぎてもいけない。
その中間の正しいバランスを探す事ですね。
極端に走らないで、すべてにバランスを見いだす。

バランスとハーモニーがあるところには、安らかさがあります。安らかに感じるとき、
あなたの健康は肉体的にも感情的にも改善します。
中道を見つけることが私の意味するバランスです。

人々はがむしゃらに働かなくてはゴールを達成出来ないと考えがちです。そのような人々がどのように中道を見つける事が出来るでしょうか。

BW:簡単なことではありません。
でも私が禅の本を読むと、ほとんどの書き手は日本人です(笑)。
ですから、答えはそこにあるのです。

私よりももっと賢い禅のマスターが昔いたのです。
もし禅の本が複雑すぎるなら鈴木大拙の本を読むといいでしょう。
彼は近代的な書き手なので、禅のコンセプトを美しく分かりやすく書いています。
彼はバランスとハーモニー、マインドフルネスについて書いています。

マインドフルネスのコンセプトは禅のものですが、それはすなわち
「この今の瞬間にいなさい」というものです。
この瞬間の安らかさを感じなさということです。 

禅の話を一つしましょう。
マインドフルネスとは一杯のお茶をゆっくり味わいながら飲むようなものです。
あなたが完全にこの今の瞬間にいるとき、あなたは飲んでいるお茶の甘み、
味、そしてお茶の香りを楽しむ事が出来ます。

もしあなたが過去の出来事をくよくよ悩んだり、将来の事を不安に思っていたら、
茶碗を見下ろしたとき茶碗が気がつかないうちにからっぽになっているのに気づくでしょう。
お茶を飲んだにも関わらず、お茶の匂いをかぎもしなかったし、
味を味わいもしなかったわけです。
でももし今の瞬間に完全にいることが出来たらお茶を存分味わって楽しむ事ができるのです。幸せが存在する唯一の場所は、今の瞬間だけなのです。 
     
このお茶の話は人生のメタファーです。
あなたが人生を楽しめるのは今の瞬間以外にはありません。
この話はおそらく日本で生まれたものでしょう。
これが私の言っているバランスとハーモニー、そしてどのように人生を楽しむ
かということをうまく表しています。

すべての答えは今この瞬間にあるのです。

聞き手・文 花川ゆう子 Ph.D.
構成 板越ジョージ

初出:月刊「アメリカン★ドリーム」 2009年2月号
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by amedorinewyork | 2009-02-03 21:56 | 対談・Dr. ワイス

ドクターワイス前世療法を語る vol. 5 
日本人へのメッセージ (前編)


前回からの続き:ドクターワイスは将来的な計画を意識的に持たないようにしていると語った。彼は見返りを求めず、直感に従って正しいと思うプロジェクトを選んでいけば正しい方向に人生が進むと常々考えているという。この哲学に基づいて行動する彼は、個人開業を辞めた2ヶ月後にオプラの人気番組に出演が決まり、それを皮切りにさらに人気が急上昇したという。
アメ★ドリとの取材も直感に従って承諾を決断したと語ってくれた。



日本の読者に何かメッセージはありますか?


BW:日本人には美しいスピリチュアルなルーツを思い出して欲しいと思います。具体的に言えば、京都、または成田山などに行ってスピリチュアルなルーツに触れることですね。

場所は実際はどこでもいいのですが、日本にある寺院の美しさをじっくりと経験して欲しいのです。あなたの国の持つ豊かなスピリチュアルな伝統を思い出すのです。

例えば、禅寺の庭。あれは京都だったかな。金閣寺、銀閣寺も行きましたが、私が好きなのは千手観音仏像のある、弓の名手が弓を放っていたといわれる寺です(注:三十三間堂のこと)。

でも具体的な寺は問題ではありません。あなたの国の豊かなスピリチュアルな伝統を思い出せる場所ならどこでもいいのです。あなたの人生にバランスと調和を作って欲しいと思います。

禅の本を少し読むのもいい。今の瞬間に心を開いてみるのです。心を開く、というのは今この一瞬に自分の心にある考えや感情、自分は何を意識しているのか気づく事が出来る、ということです。これが出来るようになると、不安がなくなっていきます。

そういえば、私が初めて日本へ行ったときは桜の季節でした。私は未だに桜吹雪が川に舞い落ちていくさまを眺めてそれをじっくり体験したことを憶えています。

とても美しくやすらかな瞬間でした。日本にいると、心を開き、やすらかで豊かな瞬間を味わうということが簡単に出来るような気がします。美しいものに対して感謝の心を持つことも簡単に出来るように思います。

日本人読者へのメッセージは、日本古来のスピリチュアルな伝統は目前にあるのだから、人生にもっとバランスを取り込んで欲しいということでしょうか。

そして働きすぎないこと。働き過ぎている人たちに言いたのですが、人生はすべて仕事ではありません。美であり、平和であり、調和であり、バランスです。日本は勤勉さですばらしく発展しましたから働き過ぎに対して偏見を持ちたくはないのですが、心の内側への旅ということも大切にして欲しいと思います。

バランスを取り込む事で仕事もさらに効率よく出来るようになりますよ。ですからもしかするとバランスを取り入れることで16時間働くのではなく10時間で仕事が出来るようになるかもしれません。

そして少しの間瞑想するのです。スピリチュアルな理解はストレスと不安を軽減させてくれます。すると楽観的になり、希望が持てるようになります。すると他の人たちとの関係も改善して、素敵なサイクルが生まれてくるのです。(続く) 

聞き手・文 花川ゆう子 Ph.D.
構成 板越ジョージ

初出:月刊「アメリカン★ドリーム」 1月号    
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by amedorinewyork | 2009-01-04 02:10 | 対談・Dr. ワイス

ドクターワイス前世療法を語る Vol. 4

前回からの続き:前世で出会ったことのある魂同士をソウルメイトという。ドクターワイスは自分のソウルメイトを知ることは最も大切だと説く。なぜならソウルメイトとの前世での繋がりを知る事で、現在の対人関係を変えていくことが出来るからと言うのだ。

先生は将来的な計画を持っていらっしゃいますか?
BW:私は具体的な計画というものを持っていません。というのも自分の直感に従っていきたいと思っているからです。そうしていると時が熟した時にチャンスが向こうからやってきます。

私は仏教から川の流れを強引に変えないことを学びました。川はそれ自体の速度で流れます。ですから私は心をオープンにして、教え、人を助けていこうと思っています。そうしていると機会が向こうからやって来るのです。

例えば、私が個人開業を止めたのは2007年の12月の終わりのことでした。それから2ヶ月以内にオプラの番組に出てくれという電話がありました。この国ではオプラは最大の人気TV番組です。あの番組がきっかけで、様々なプロジェクトが向こうから来てくれました。だから今は100くらいのプロジェクトがあって、そこから何をしたいか選べるという状況です。教育の機会が与えられたり、ホリスティックなセンターを開こうとしている病院から前世退行催眠もプログラムの一部にしたいと言ってきたりね。

私が1つのドアを閉めたから、100のドアが開いたというわけです。そして正しいプロジェクトが私の前に現れる時、私はそれを感じます。それを辿っていけばいいわけです。

私は自分の心と直感に従ってどのプロジェクトをやるか決めることにしています。

例えば、このインタビューは今週中唯一のインタビューです。実は他に7、8社の新聞や雑誌からインタビューの申し込みがあったのですが、全て断りました。なぜならこの前世退行トレーニングの1週間はとても強烈なものだからです。でも私はこのインタビューはやりたかった。今まで日本と日本人とのいい経験があったからです。

ありがとうございます。光栄です。

私が持っているコンセプトは、何かを見返りなしにやる、というものです。なぜならそれが正しいやり方だからです。そして自分がしたことは自分に結局返ってきます。結果から自分を切り離す、ということですね。見返りを期待しないで心をオープンにして何かをする。そうしていると自分に何かしら返ってくるのです。

今たくさんのプロジェクトが目白押ししています。退屈というのは私のかかえる問題ではありません(笑)。


略歴
Brian Weiss, M.D. 精神科医: コロンビア大学卒業後、イエール大学医学部医学博士号を取得。FL州マウントサイナイ病院の精神科部長兼マイアミ大学医学部精神科の教授を勤めた。今までに8冊の前世療法の本を出版。現在は、個人開業を離れ前世療法のワークショップを世界各国で行っている。www.brianweiss.com

花川ゆう子 Ph.D. 臨床心理学者:NYU修士課程卒業後、アデルファイ大学臨床心理科博士課程修了。現在セントルークス病院の外来精神科クリニックで勤務。個人開業では従来の心理療法にヒプノセラピーを織り交ぜたホリスティックな治療を行っている。www.flowerrivers.com

聞き手: 花川ゆう子 Ph.D.
構成 板越ジョージ
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by amedorinewyork | 2008-12-25 00:44 | 対談・Dr. ワイス

ドクターワイス前世療法を語る 3

世界的なベストセラー「前世療法」、「魂の伴侶~ソウルメイト」などを数々発刊しているブライアン・ワイス精神科医はヒプノセラピー(催眠療法)を使いクライアントを前世に退行させることで現在抱える問題の改善を目指すという前世退行催眠を発案した第一人者。スピリチュアルの世界で彼を知らない人はいないだろう。

*前回からの続き:ドクターワイスは精神科医としての社会的信用を失いかねない前代未聞の「前世療法」の出版に踏み切った。その決断の背後には、彼自身生後間もない赤ん坊を亡くしており、前世退行中彼に伝えられたあの世からの衝撃的なメッセージに癒された体験をしていたからなのだった。

先生はソウルメイトについて本をお書きになりましたが、ソウルメイトとは何ですか?

BW:ソウルメイトは前世であった事のある魂のことを指しています。いつも恋愛関係とは限りませんが、恋愛関係であることもあります。

例えば、ソウルメイト同士が前世で親と子であったり、師弟関係であったりすることもあります。前世で会ったことのある魂は違う肉体を持ち違う時代に生きてはいても、今生で会った時にそれと分かるものです。自分のソウルメイトと会ったらそのコネクションを心で感じるはずです。突然、親しみの感情が湧きあがってきたりだとか、意識のレベルの深い場所で、今出会ったばかりの人をずっと昔から知っているという気がしたりすることがあります。そうした場合は、直感的に何を言えばいいのか、とか相手の反応の仕方も「分かる」こともあるのです。

どのようにして自分のソウルメイトを見つけだし、それを認識し、行動を起こしていくかということは、私達の人生において最も重要なことだと思います。

どうしてソウルメイトと知る事が大切なのでしょう。

BW:時に理性では理解し難い人間関係のパターンを説明してくれます。例えば今週前世退行トレーニング中に起こったことで、美しい話があります。

生徒の中に、彼が癌の告知を受けた直後、彼の妻が彼のもとを去ってしまったという人がいました。それは彼にとって非常に辛い出来事でした。癌の告知を受け、彼が最もサポートを必要としている時に彼女は家を出て行ってしまったからです。彼女は手紙も残していきませんでしたから、彼女が家を突如出ていった理由は不明でした。彼は動揺し、落ち込み、鬱になり、怒りをかかえていました。

そんなつらい体験をしながら、やっとの思いで私のトレーニングに来られたのです。彼はトレーニング中、前世退行をして前世の記憶を思い出しました。すると、1860年代の南北戦争の時の記憶が蘇ってきました。

その前世で彼と妻は熱烈に愛しあう婚約者同士でした。あの時代はまだしきたりが厳格でしたから、2人は婚約をしてからも長い間結婚するのに相応しい時期をじっと待っていました。彼はその人生で男性で、兵士として戦場に送られていました。そして戦争のさなか彼は銃に撃たれて殺されてしまうのです。彼女は彼が撃たれた時、近くにいました。肉体が死んだ後、彼の魂は自分の亡骸の上方から彼女を見ていました。彼女は動揺し、深く悲しんでいました。彼女は愛していた彼が結婚を目前に殺されてしまったのことで、打ちひしがれ、悲嘆にくれていました。そんな彼女の深い嘆きを見て、彼はどうして今生で妻が癌の告知直後に彼のもとを去ったのか理解し始めたのです。彼女は今生でまた彼を失うことに耐えられなかったのです。

このような事情を知ったとき、彼の中に妻に対する共感が産まれてきました。そして彼は彼女のことを許せるようになったのです。このようにソウルメイトを思い出す事は助けになります。ソウルメイトとの過去を知ることで前に進む事ができるようになります。許しがたきを許すことができるようになるのです。(続く)

聞き手・文 花川ゆう子 Ph.D.
構成 板越ジョージ

初出:月刊「アメリカン★ドリーム」 2008年11月号
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by amedorinewyork | 2008-11-01 10:35 | 対談・Dr. ワイス

ドクターワイス前世療法を語る 2

世界的なベストセラー「前世療法」、「魂の伴侶~ソウルメイト」などを数々発刊しているブライアン・ワイス精神科医はヒプノセラピー(催眠療法)を使いクライアントを前世に退行させることで現在抱える問題の改善を目指すという前世退行催眠を発案した第一人者。
スピリチュアルの世界で彼を知らない人はいないだろう。


*前回からの続き:ドクターワイスは「前世療法」 の出版により他の精神科医からの批判にさらされ、一時は医師免許剥奪の危機を経験した。しかし彼を応援してくれた精神科医たちのおかげで免許剥奪は逃れ社会的地位も維持することが出来た。その後前世療法は世界中に広がり、現在では日本語も含め35国語に翻訳されている。

- 様々な社会的リスクを背負いながらも、最初の本「前世療法」を出版を決定した一番の理由は何だったのでしょうか?

それは私自身が生後3週間の息子を亡くしたことです。1971年でした。妻のキャサリンと私は何ヶ月も悲嘆にくれました。夢も希望も打ち砕かれたような思いでした。そのうちにキャサリン(*最初の前世治療の患者)との前世退行のセッションが始まり、彼女はセッション中に前世の記憶を思い出すようになりました。

前世療法を続けるうちに、彼女は高い次元へ行って死者たちとコミュニケーションを受け取る事が出来るようになりました。そしてあるセッション中、キャサリンは私の死んだ父や息子からのメッセージを私に伝えてくれたのです。キャサリンは彼女が個人的に知り得ない私のプライベートな情報を私に語りました。

例えば彼女は私の息子が非常に珍しい心臓の病気で死亡したことを言い当てました。また息子の死をきっかけに私が医学の限界を感じ、精神科医になろうと決心した経緯まで見事に指摘したのです。さらに彼女は息子は愛にあふれた魂で、死を持って彼の両親のカルマの負債を返してくれたとも教えてくれました。

このようなあちら側からのメッセージを聞くうちに私の息子を亡くした悲しみは和らいていきました。さらに心のずっと奥で大きな愛の存在や、死後の世界にいる私の息子に対するいっそうの愛しさが感じられるようになったのです。

そのうち私は子供や愛する人を亡くした患者さんたちに、本当の死は存在しないということ、私達は死後の世界で再会できるということを話すようになりました。すると彼らの症状も良くなっていったのです。社会的なリスクを背負いながらも前世療法の本を出版するよう私の背中を押してくれたのは、

私自身が深い喪失感を経験し、そのような喪失感を抱えている人々を助ける事が出来た経験です。そのような個人的体験があったので、私がやろうとしていたことは正しいことだと分かっていました。それが一番の動機でした。

- 先生の処女作「前世療法」はどのようなことが書かれていますか?

「前世療法」は私の患者であったキャサリンとの治療経験をまとめたものです。キャサリンとのセッションで実際に起こった事、彼女がどのように変わって いったか、彼女がどのように症状を薬の力を借りずに自分自身で癒していったか、そしてこの治療がどのように私自身を変えていったかについて書かれています。

私は彼女を従来の心理療法で18ヶ月間治療していましたが、彼女の症状はなかなか快方に向かいませんでした。ある時催眠療法をすすめると彼女はしぶしぶ承諾しました。そして退行催眠中、私は症状の原因となった時まで戻りなさいと指示しました。

すると彼女は偶然にも前世に戻ってしまったのです。そしてその人生での名前、着ているもの、風景、時代すべてありありと私に報告し始めたのです。驚くことに前世療法を始めて5ヶ月という短期間でキャサリンの神経症の症状は完治したのです。

私は前世治療の当初とても懐疑的でした。私は前世だとかスピリチュアルな世界といったものを一切信じていませんでした。彼女自身でさえも信じていませんで した。

それにもかかわらず前世療法の体験を通して私達2人の人生は劇的に変わっていったのです。(続く)


聞き手・文 花川ゆう子 Ph.D.
構成 板越ジョージ

初出:月刊「アメリカン★ドリーム」 2008年10月号
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by amedorinewyork | 2008-10-05 13:47 | 対談・Dr. ワイス

新連載「ドクターワイス前世療法を語る」 1


世界的なベストセラー「前世療法」、「魂の伴侶~ソウルメイト」などを数々発刊しているブライアン・ワイス精神科医はヒプノセラピー(催眠療法)を使いクライアントを前世に退行させることで現在抱える問題の改善を目指すという前世退行催眠を発案した第一人者だ。最近では、人気トーク番組オプラショーにも出演しさらに人気が急上昇。日本ではテレビ番組「奇跡体験アンビリーバボー」で06年に特集された。スピリチュアルの世界で彼を知らない人はいないだろう。

前世退行療法とはどんな療法なのでしょうか。

ドクターワイス(以下BW):前世退行催眠療法とは時間をさかのぼって人々の症状や、恐怖や、対人関係の問題の根源をさぐりだす行程です。催眠療法を使って前世を思い出すと、人間の魂は永遠だということを知ることが出来ます。またあなたの対人関係や症状についても理解出来るようになります。例えば、前世で水に溺れて死んだ人が水に対する恐怖があったり、昔脇腹を侍の刀で切られた人が、脇ばらに痛みを感じていた等、前世を思い出す事によって解消されていくのです。

前世療法の本を「輪廻転生」の考え方のない米国文化の中で出版してみていかがでしたか?

BW 米国は日本のように前世に対してオープンではなかったので大変でした。ですから、キャサリンとの治療*が終了してから5年もの間、私は出版を躊躇していました。私はその頃、マイアミのマウントサイナイ病院精神科の部長をしていましたから、あのような本を出版するのは非常に危険だったのです。しかし、最終的に私は本の出版に踏み切りました。というのは、たくさんの患者が喪の感情から解放され、症状が良くなっていくのを臨床の現場で見たからです。
(*キャサリン:BWの最初の前世治療の患者。子供時代への退行催眠中に彼女は偶然にも前世へ退行してしまう。その後BWと前世治療を続け不安症状が完治する。彼女との治療が土台となり前世療法が発展していった)

出版するのは危険であったとおっしゃいました。実際にどのような問題がおこりましたか?

BW:特に精神科医からの反応は批判的でした。これは標準的な治療方法ではないとか、どこにも証拠はないとかそういうことを言われました。でも実は多くの証拠はあったのです。臨床の仕事をしていく中でデータを集め、事例研究を出版していくことで証拠はどんどん溜まっていきました。ただ、事例を集めるのには時間がかかります。

先生は非常に危険な一歩を踏み出されたんですね。

BW:そうです。私の医師免許は一時剥奪されそうになった位でした。しかし最終的に大丈夫でした。なぜなら精神科医仲間からたくさんの援助があったからです。多くの医師は実は患者が前世の報告をする経験を持っていました。でもそうした医師の多くはそのような事例を公にして糾弾されることを怖がっていました。そんな彼らが私のことを援助してくれたのです。彼らは「ドクターワイスは真面目でいい精神科医だから医師免許剥奪は止めて欲しい」と言ってくれました。彼らの多くはマイアミ医科大学の私の教え子達でした。彼らの援助があったので、それが抵抗勢力とのバランスを取ってくれました。おかげで私は医師免許を失わずにすみました。でもしばらくの間は不穏な日々が続きました。あれは私の背負ったリスクでした。しかし、今では前世療法は世界中に広がっています。私の最初の本「前世療法」は今では、日本語をはじめ35種類以上の言語に訳されています。あの時、勇敢であって良かったと思います。 (続く)

聞き手・文 花川ゆう子 Ph.D.
写真・構成 板越ジョージ

初出:月刊「アメリカン★ドリーム」9月号
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略歴
Brian Weiss, M.D. 精神科医: コロンビア大学卒業後、イエール大学医学部医学博士号を取得。FL州マウントサイナイ病院の精神科部長兼マイアミ大学医学部精神科の教授を勤めた。今までに8冊の前世療法の本を出版。現在は、個人開業を離れ前世療法のワークショップを世界各国で行っている。www.brianweiss.com

花川ゆう子 Ph.D. 臨床心理学者:NYU修士課程卒業後、アデルファイ大学臨床心理科博士課程修了。現在セントルークス病院の外来精神科クリニックで勤務。個人開業では従来の心理療法にヒプノセラピーを織り交ぜたホリスティックな治療を行っている。www.flowerrivers.com
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by amedorinewyork | 2008-09-29 10:08 | 対談・Dr. ワイス