とにかく、どこかの会社にもぐりこむための77のヒント
                               より抜粋

ストリートスマート73 やれば、できる
「裏へまわって」と屈辱的な思いをさせられたバイク便


アメリカの大学に入るために、渡航・留学費用の百万円はバイク便で稼ぐことにした。
暴走族と一緒に走った昔から、バイク走行は得意だ。そこで、バイク便の会社に面接に乗り込んだ。

突っ張っていたボクは、面接担当者に、足を組んで生意気な口調で応対した。
 「まあ、おそらくボク以上に転がせるヤツは、いないんじゃないですか。金稼ぎたいので、
なんでもやりますよ。どんどん仕事まわしてかまいませんから」

担当者はムカッとした顔で、「そうか。じゃあ早速、朝一番からやってもらおうか」と応じた。

 それからは朝六時から夜の最終便まで、目茶苦茶に働いた。

 とにかく短時間に稼ぎたいから、不思議に思わなかったが、仕事が次から次へとまわってくる。
 睡眠時間がどんどん短くなり、疲労が体内に蓄積してくるのがわかった。
 仕事を始めて一週間目のことだった。

 夜の六時に東京を発ち、日光に行く仕事を命じられた。運ぶのは小さな箱に入ったネジ一本。機械かなにかの大切な部品だという。

 運の悪いことに雨が降っていた。

 バイク便で一番辛いのは雨の夜の長距離走行だ。キャブレターが水を吸ってバイクが動かなくなるときがある。スリップにも気をつけないと命とりになる。神経をすり減らして、ノンストップで高速道路を突っ走り、日光のイロハ坂を駆け登り、目的地についたのが夜の八時。

 くたくただ。だが、まだ帰りがある。
 品物を渡して帰り道を突っ走ったが、猛烈な眠気が襲ってきた。フーッと眠くなっては、あわてて目を開く。
 「このまま、死んでもいいから眠りたい」と何度も思った。
 休憩所で時々休む。

 なんで、こんな苦労して、働かなきゃならないかと思うと、涙がとまらず、ヘルメットに頭を埋めて泣いた。
 十日ほど経つと、面接した担当者に呼ばれた。

 実は、この人はこの会社の重役だったのだ。

 「板越君、がんばっているね。実は面接のときに、態度が生意気だったんで、口ばっかりの奴だろうから、
無理に仕事させ、つぶしてやろうと思って、きつい仕事ばかり選んでやらせてたんだ。
でも、君はへこたれずにやり抜いてやる。どうやら、口ばかりではなさそうだな」

 そこで、はじめて、アメリカに渡り、向こうの大学に入るための資金を短期間につくらねばならない
事情を話した。

 役員はえらく感心してくれた。
 「そうか、わかった。これからは、楽な仕事も含め、仕事をどんどんまわそう。
ただし、事故を起こすなよ。事故っては、もとも子もない。」
 と励ましてくれた。

 それからは、バイクも改造した。

 バイク便で稼ぐには、”すり抜け”が抜群でなければならない。
 渋滞している車の間をスイスイとすり抜けていく技術だ。

 ボクのバイクはモトクロス用のホンダのXLだった。ハンドルは一文字の短いのに替えた。
こうすれば、ハンドルが自動車のミラーにぶつからず、ちょうどよい高さになる。
もっとも、失敗して、自動車のドアとドアの間で、ぶつかりながら走ったことも何度かあった。

 ケガはしなかったが、体は相当痛んだ。
 バイク便の仕事は、精神的にも辛いことが多かった。

 会社の正面から入って荷物を届けに行くと、
 「裏口へ回って」
 と邪険に言われることが多い。

 要するに、バイク便のような、下請け仕事は、表からではなく、裏口から入ってこい、というのである。
 こういった威張りきった態度は、大会社ほどひどかった。
 このときの屈辱感は、今も忘れていない。

クソッ、なんで、こんな差別されなきゃならないんだ。今にみていろ。

 この気持ちが、今でも自分を奮い立たせてくれるエネルギーになっている。
 (もっとも、下請けという点では、今もって大企業に使われているというのは、あまり変わっていないが・・・・)

 こういう嫌なこともあったが、結局、ボクは最終的に目的を達成することができ、多くのことを経験した。

 誰にも頼らず、自分で決めたことを実行する。
 やれば、できるのだという自信。

 さらには、必ず理解してくれる人がいるということ。
 バイトを終了する頃には、大学受験の失敗の傷あとは、あとかたもなく消え、ボクの視野には、
はるかアメリカの未知の大陸が横たわっていた。

とにかく、どこかの会社にもぐりこむための77のヒント 扶桑社刊 1998年
(P.182-185)
http://item.excite.co.jp/detail/ASIN_4594025986/
http://amedori.net/about/kanren_77.htm


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by amedorinewyork | 2010-03-20 14:08 | 著書より抜粋

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